鉄
てつ
鉄とは:酸素を運びエネルギーを生む生命の要
鉄は、人体に必要な必須ミネラルの一つであり、一般的には赤血球のヘモグロビンの構成成分として、全身に酸素を運搬する役割が広く知られています。しかし、分子栄養学やバイオハックの視点において、鉄は単なる酸素の運び屋にとどまりません。
細胞内のミトコンドリアがエネルギー(ATP)を作り出す「電子伝達系」という回路において、鉄は不可欠な触媒として機能します。つまり、鉄が不足することは、細胞が酸欠状態になるだけでなく、身体を動かすためのエネルギーそのものが枯渇することを意味し、慢性的な疲労や代謝低下の直接的な原因となります。
メンタルヘルスとの深い関わりと摂取の注意点
鉄の重要性は脳機能にも及びます。意欲を生むドーパミンや、精神を安定させるセロトニンといった神経伝達物質を脳内で合成する際、鉄は補酵素として必須の働きをします。そのため、鉄不足は単なる立ちくらみや貧血症状だけでなく、うつ状態、パニック、イライラ、集中力の欠如といったメンタル不調の引き金となることが医学的に明らかになっています。これを「隠れ貧血(潜在性鉄欠乏)」と呼びます。
一方で、注意すべきは「過剰摂取」のリスクです。鉄は強力な酸化作用を持つため、必要以上に体内に蓄積すると細胞を錆びさせ(酸化ストレス)、臓器障害やがんのリスクを高める可能性があります。特に月経のない男性や閉経後の女性は排出経路が限られるため、サプリメントでの安易な自己判断摂取は危険であり、必ず血液検査による管理が必要です。
当クリニックにおける貯蔵鉄(フェリチン)管理
tokyo capital clinicでは、鉄の代謝をメンタルパフォーマンスと活力維持の鍵として重視しています。一般的な健康診断ではヘモグロビン値しか見ないことが多いですが、当院では体内の鉄の在庫量を示す「フェリチン」の数値を精密に測定し、隠れた欠乏や過剰蓄積を見逃しません。
検査結果に基づき、脳内の神経伝達物質がスムーズに作られる最適なレベルへと調整します。吸収率の高いヘム鉄などの医療用サプリメントの処方や、逆に過剰な場合の食事指導など、データに基づいた緻密なコントロールを行うことで、薬に頼らずに「折れない心」と「疲れ知らずの身体」を構築するサポートをいたします。