細胞外小胞
さいぼうがいしょうほう
細胞外小胞(EVs)とは:細胞間を行き交う「生体情報の宅配便」
細胞外小胞(Extracellular Vesicles、略してEVs)とは、私たちの身体を構成するほぼすべての細胞が分泌する、脂質の膜で包まれたナノサイズ(100万分の1ミリメートル単位)の「カプセル」の総称です。
かつては細胞が出す「ゴミ」や「排泄物」だと思われていましたが、近年の研究で、このカプセルの中にマイクロRNA(遺伝子のスイッチ)やタンパク質といった重要なメッセージ物質が詰め込まれていることが判明しました。EVsは、血液や体液に乗って体内を巡り、離れた場所にある別の細胞に取り込まれることで、「ここで炎症を直せ」「血管を作れ」といった指示を伝える、細胞同士の「コミュニケーションツール(手紙)」としての役割を果たしています。
「エクソソーム」を包摂する上位概念
再生医療の分野でよく耳にする「エクソソーム」は、実はこの細胞外小胞(EVs)の一種(最も小さいサイズのもの)に過ぎません。
EVsは、そのサイズや作られ方によって大きく3つに分類されます。
1. エクソソーム(Exosomes):直径30〜150nm。細胞内のエンドソームという小器官で作られる、最も注目されている小胞。
2. マイクロベシクル(Microvesicles):直径100〜1000nm。細胞膜がちぎれるようにして作られる。
3. アポトーシス小体:細胞が死滅する際に出る比較的大きな小胞。
多くのクリニックで「エクソソーム点滴」と呼ばれている製剤の実態は、厳密にはこれらが混ざり合った「EVs(細胞外小胞)製剤」であるという点です。しかし、これは悪いことではありません。マイクロベシクルにも有用なタンパク質が含まれているため、重要なのは「名前」ではなく、その液体の中にどれだけ良質なメッセージ物質(miRNA等)が、壊れずに内包されているかという「実質的な中身」です。
当クリニックにおける「情報の純度」管理
tokyo capital clinicでは、再生医療を「物質の投与」ではなく「情報の伝達」と捉えています。
私たちが投与する幹細胞培養上清液の中に含まれるEVsは、いわば「修復命令が書かれた手紙」です。この手紙が雨に濡れて読めなくなっていたり(膜が壊れている)、中身が白紙だったり(有効成分が入っていない)しては意味がありません。
当院では、超遠心分離法やTFF法(膜分離法)など、高度な技術で精製され、不純物を極限まで取り除いた高純度なEVsを使用します。細胞膜というバリアに守られた新鮮な情報を、劣化させることなく標的となる臓器(脳、血管、皮膚)へ確実にデリバリーし、エグゼクティブの身体機能を細胞レベルから書き換えます。